STAR EGG 星の玉子さま

先日「星の王子さま」のことを書きましたが、今回は「玉子さま」(たまこさま)です。
作者はミステリー作家の森博嗣氏。発刊に当たって、珍しく宣伝をしていたので(氏の事を知っている人間から見ると、かなり特異な事なんです)興味を持って買ってみる事にしました。
結構大きな書店を、まわって見たものの見つからなかったので、amazonで購入。(いつもお世話になっています)

で、中身はというと、玉子さんと愛犬ジュペリが訪れる、小さな星(星のたまご)の物語。
一つ一つの星は小さくて、星の上にビリヤード台や、滑り台を置くといっぱいになってしまう様な、小さな星。

物語の前半は論理。後半は寓意。

星が小さくなる事で、一つ一つの事象が大きく描かれます。当たり前だと思っていた事を、もう一度考え直してしまいます。

当たり前の事を考え直す。

それは読む人によって、また読むときによって色々な形を生み出すでしょう。その結論が、正しいか間違っているかは誰にも分かりません。考えた結果、結局は元の考えに、落ち着いてしまうかもしれません。
しかし「考える」という行為が出来る所に、人間の尊さがあると思います。
水は結局、海に帰ってゆくかもしれませんが、途中で雨となって植物を潤し、流れとなって水車を動かすのです。
溜まっているだけでは朽ちてしまいます。
「考える」ということを忘れないように、そのきっかけとして、この本をいろんな人に読んでもらいたいと思います。
何度も何度でも読めるいい絵本です。

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