“スパイダーマン 2 [SUPERBIT(TM)]” (サム・ライミ)
前回の映画を前提にした話なので、見ていない人は「スパイダーマン」から見るように。
前半は主人公の内面が描かれていて、アクション映画らしからぬ雰囲気。悪くはなく後半に期待を持っていたのですが、段々ただのアクション映画になる。今回は特にアメコミっぽいので好きになれない人は、笑っちゃうかも。
最後は次作への伏線がいろいろと。スパイダーマン4ぐらいまで計画はされているようです。
以下は愚痴です。
笑うと言えば、核融合炉の研究発表シーンがあるのですが、知識の有る人から見ればハチャメチャもいいところ。
なんか「未知のエネルギー」とかにしておけばよかったのに「核融合」とか「トリチウム(映画の中では超貴重な物になっていますが、海水中に無尽蔵にあるリチウムを融合炉に入れておけば自己生産できる)」とか実際にある物を出しちゃうものだから、あのシーンで物語から冷めてしまいました。
中性子線の遮蔽はなんとかできているとして、暴走はいただけません。
基本的に核融合は、制御ができなくなると反応が止まってしまうので安全なのです。
しかも最後は、核融合の光球を海だか川だかに沈めていますけど、線香花火じゃないのだからジュッじゃ済まないはず。
画面の描写から見ても常温で反応してはいない様子。トリチウムを使っているので、推測するに三重水素と反応させるD-T反応でしょう。どう低く見積もっても、温度は1億度以上。そんな物を大量の水に近づけただけで、水蒸気爆発を起こしそうです。
なんか核融合に対するアメリカ人のイメージが大体分かりますな…
とりあえずあれを見て「核融合」は危ない、などと思う人が増えないことを祈ります。
ほぼ無限のエネルギーに、CO2など温室効果ガスは発生せず、少量で短寿命の放射性廃棄物、そして安全性。
個人的には、核融合の実用化以外は人類を救うことはできないと思っています。
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